薄皮丸なすとは、山形おきたま伝統野菜に認定されている漬物用の在来野菜です。
薄皮丸なすの特徴
窪田茄子がルーツ
「薄皮丸なす」のルーツは、窪田茄子(くぼたなす)と呼ばれる丸茄子にあります。
山形県置賜地方の窪田地区で盛んに栽培されていた窪田茄子は、庄内地区の民田茄子(みんでんなす)と並ぶ山形古来の在来品種です。
しかし、窪田茄子は皮が厚く、煮物や本漬けには適していましたが、浅漬けには不向きでした。
そこでこの窪田茄子を品種改良し、浅漬けに適した茄子として「薄皮丸茄子」が誕生しました。
とても希少な茄子
産地は置賜地方を中心に、農家さんから家庭菜園まで広く栽培されています。
しかし、流通量はあまり多くなく、平成18年農林統計によれば年間出荷量は583トンです。
これは全国の茄子の出荷量(275,200トン)のわずか0.2%しかありません。
そのため、薄皮丸なすは、県外の市場に出回ることはほとんど無く、地元でのみ消費されています。
現在では、山形おきたま伝統野菜にも認定され、その希少性と価値が認められています。
(参考:薄皮丸なす-おきたま伝統野菜-山形 おきたま食の応援団 )
どんな味?
「薄皮丸なす」は一口大で皮が薄く、パリッと割れるような素晴らしい食感が特徴です。
(民田茄子よりさらに皮が薄いです)
その味を活かす食べ方としては、浅漬けが代表です。
おきたま地方の家々では、旬になるとガラス瓶に入れた薄皮丸なすの一夜漬けを作るのが、夏の風物詩になっています。
また、糀漬けや粕漬けにしても、大変美味しくいただけます。
山形は米処なため、日本酒の生産も盛んです。
そのため、良質の糀や酒粕を用いた茄子漬けも多く作られてきました。
ご飯のおかずやお酒の肴にはもちろん、お茶のお供にも食されます。
薄皮丸茄子を使ったお漬物
薄皮丸茄子を使ったお漬物はこちらです。